2023年9月23日土曜日

【Grasshopper_87】Grasshopperの形状映えする、簡単なレンダリング環境の設定方法


今回は、レンダリング環境の設定について考えてみました。

Grasshopperで作り込んだデータをブログやパワポ資料などに画像として貼り付けて誰かに見せる場合、レイトレースを活用したフォトリアルな品質まではいらないけど、それなりに格好良く、なおかつあまり手間をかけずに実現したいと考える場合があるのではないかと思います。

そこで、今まで試行錯誤を重ねてたどり着いた環境設定をいくつかご紹介します。慣れれば1分以内で終わる作業で、保存しておけば使いまわしも可能です。

環境設定ではhdr画像やテクスチャ画像を使いますが、すべてRhinoceros7のインストール時に同封されているデータを使用しています。著作権絡みでOKなフリー素材をお持ちであれば、それらを使ってさらに自分好みにカスタマイズするのも楽しいですね。

ちなみに、被写体は以前のブログ記事で取り上げた、スタンフォードバニーのメッシュデータです。マテリアルは、parakeetというプラグインのサンプルデータの中に同封されている、簡易的に金属マテリアルを表現するGrasshopperコンポーネントを使用していますので、興味のある方は使ってみてください。二つのパラメータと色情報のみで金属表現が可能です。

1.ホワイト強反射環境

まずは冒頭の画像と同じ、白色フロアにhdr画像をうっすら反射させる環境です。

・ファイルを新規作成し、うさぎのメッシュデータを読み込ませてGrasshopperに取り込んで表示した状態。表示モードはレンダリング。

・「環境」タブを開き、+ボタンを押して「環境ライブラリからインポート」を選択
※デフォルトではRhino Studioのみ読み込まれた状態です。

・hdr画像が以下の格納場所に多数ありますので、フォルダ階層をたどり、その中からRhinoSky.renvを選択する。
C:\\ユーザー\ユーザー名\AppData\Roaming\McNeel\Rhinoceros\7.0\Localization\ja-JP\Render Content\Environments

・RhinoSky.renvが読み込まれたら、アイコンの上で右クリックし、「グローバル環境として設定」をクリック。

・環境の明るさはhdrの強度に依存します。ここでは1.5に設定します。

・回転させると映り込みの状態が変化しますのでお好みで設定します。

・次に「地平面」タブを開き、地平面設定欄のオンにチェックを入れます。

・ワールドXY平面の高さは、今回のデータはXY平面上にセットされているので空欄にチェックを入れ、0.0にします。
※データが座標系の空中にあるけど影を真下に表示したいときは自動の方にチェックを入れると、XY平面の高さがデータの位置に合わせて自動調整されます。

・エフェクト欄の「マテリアルの使用」にチェックを入れ、マテリアルは塗料を選択します。光沢度は100%で、色は淡いグレー(250,250,250)をセット。真っ白よりも少しグレーっぽい方が好みなのでそうしました。

・最後に「レンダリング」タブの設定。バックドロップはhdr画像をそのまま表示させるとピンボケ状態になるため、グラデーションで適当に色をセット。

・「反射にカスタム環境を使用」にチェックを入れ、RhinoSkyをセット。

・「スカイライトにカスタム環境を使用」にチェックを入れ、強度を1.5にしてからRhinoSkyをセット。

以上で設定完了です。ちなみに、影がうまく表示されない場合は、以下の設定画面をチェックしてみてください。
・Rhinoオプション→ビュー→表示モード→レンダリング→シャドウとたどり、「シャドウをオン」にチェックが入っていること、画面一番下のシャドウの強度が100%になっていることを確認。

2.ホワイト環境

・次は、少し地味ですが白っぽい環境。

・先ほどと同じくファイルを新規作成し、うさぎのメッシュデータを読み込ませてGrasshopperに取り込んで表示した状態。

・「環境」タブはデフォルト設定のStudio環境のままです。特にいじりません。

・「地平面」の設定はさきほどとほぼ同じですが、色をグレー(230,230,230)にセットして光沢度を30%に下げます。

・「レンダリング」タブの設定。バックドロップは先ほどと同じくグラデーションで適当に色をセット。「反射にカスタム環境を使用」にチェックを入れ、Studioをセット。「スカイライトにカスタム環境を使用」にチェックを入れ、強度を1.0にしてからStudioをセット。

3.グレー環境

・次はフォトスタジオみたいなグレー環境。

・新しくファイルを作成してウサギを読み込ませたら「環境」タブを開き、StudioG.renvをセット。その他はデフォルトのままです。

・「地平面」タブを開き、「シャドウのみを表示」にチェックを入れます。マテリアルは使用していません。

・「レンダリング」タブの設定。バックドロップは360°環境にチェックを入れてStudioGをセット。「反射にカスタム環境を使用」にチェックを入れ、StudioGをセット。「スカイライトにカスタム環境を使用」にチェックを入れ、強度を1.0にしてからStudioGをセット。

4.タイルフロア環境

・次は、フロアにテクスチャ画像を張り付けて雰囲気を出してみた環境。

・「環境」タブを開き、今回はデフォルトのStudio.renvとStudioC.renvを2つ読み込んだ状態します。強度はいずれも1.0にしています。

・「地平面」タブを開き、「マテリアルを使用」にチェックを入れ、タイプ欄でカスタムをセットします。

・カスタム設定欄では、色はテクスチャを使用するため変更しませんが、光沢仕上げと反射率は0に近い位置にセットします。

・テクスチャ欄の色にチェックを入れて、以下のフォルダ階層にアクセスし、Tile.pngを選択します。無ければ、それに近い物を選択します。
C:\\ユーザー\ユーザー名\AppData\Roaming\McNeel\Rhinoceros\7.0\Localization\ja-JP\Render Content\Textures

・テクスチャ画像の名前の個所をクリックすると、テクスチャ画像の設定画面が出るので上の画像のようにセットします。マッピングサイズはテクスチャ画像のリピート調整です。ひとまずx、yを1000にセットし、okボタンを押して閉じます。細かいサイズは元の画面に戻ってから調整します。

・画面右下のテクスチャマッピング欄にあるサイズで大きさを微調整します。今回はx、y共に1にしましたが、好みの大きさになるよう調整可能です。

・「レンダリング」タブの設定。バックドロップはグラデーションにチェックを入れてカラーをセット。「反射にカスタム環境を使用」にチェックを入れ、StudioCをセット。「スカイライトにカスタム環境を使用」にチェックを入れ、強度を1.0にしてからStudioをセット。

5.水面っぽい環境

・最後に水面のような環境を作ってみました。

・「環境」タブを開いてRhinoSky.renvをセット。強度は1.5にします。

・「地平面」タブを開き、「マテリアルを使用」にチェックを入れ、タイプ欄でカスタムをセットします。

・光沢度0%、反射率33%、透明度33%あたりにセット。

・テクスチャはFiber 9.pngを選択し、サイズを10000にセットしてokボタンを押します。

・画面右下の、テクスチャマッピング欄のサイズを2.0にセット。

・高度な設定欄の、アルファ透明度にチェックを入れます。

・最後に「レンダリング」タブの設定。バックドロップは360°環境にチェックを入れてRhinoSkyをセット。「反射にカスタム環境を使用」にチェックを入れ、RhinoSkyをセット。「スカイライトにカスタム環境を使用」にチェックを入れ、強度を1.5にしてからRhinoSkyをセット。

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ざっと簡単な作り方の紹介でした。

ちなみに、明るさを落として暗い環境にする場合は、hdr画像の強度、もしくはスカイライトの強度を0.3ぐらいまで下げるとできます。光源を追加したりして、お好みでカスタマイズしてみてください。

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