2021年10月16日土曜日

【Grasshopper_47】Grasshopperプラグイン「Dendro」を使って有機的なグニャグニャ形状を作る方法


もともとGrasshopperではポリゴン形式のぐにゃぐにゃした形状の製作機能はあまり豊富ではなく、CrystallonやIntralatticeを使ってカーブの周りに肉付けし、Exoskeletonで関節部分の厚みをつける方法が一番お手軽な手段でしたが、Exoskeletonの動作でエラーになる確率がが高く使いづらいため、代替手段を探してみました。

2年程前にリリースされた、Dendroというプラグインを使うとお手軽に有機的な形が作れるので、紹介したいと思います。

ただし、以前の記事でも書きましたが、Gererative Designのように最適な耐荷重や重量の計算はないので、実際に3Dプリンターで出力する際は厚みの設定に注意が必要かと思います。

Dendroは以下のリンクから取得できます。

Step.1 適当なサーフェスを準備する


Step.2 移動させたサーフェスとの間にVoxellを作成する

・Step.1で作成したサーフェスをY方向に移動させ、その間にVoxellを作成します。

・Voxellの作成機能はCrystallonかIntralatticeを利用します。今回は、Crystallonの中にあるMorph Between Surfacesを使います。2枚のサーフェス間にVoxellを作る機能です。

Step.3 カーブネットワークを作る

・Step.2で作成したVoxellの中に直線をはりめぐらします。これも、Crystallonの機能を使うと簡単です。

・CrystallonのCell Lattice Fillで張り巡らし、種類をCell TypeとCell Selectorで選びます。

・もちろん、Lineコンポーネントを使ってお好みの張り方をしても可能です。

Step.4 肉付け作業

・Step.3で張り巡らした直線の周りに肉付けをしていきます。

・上の図のようにDendro内のコンポーネントを組めば完成です。

・左から順に、Create Settingsは各種設定用のコンポーネント。直線の周りに肉付けするポリゴンのスケールや密度を調整するためのものです。まずは初期設定で試して見ます。今回のケースでは、SとBが1、IとAが0です。

・2番目はCurve to Volumeコンポーネントで、カーブを円柱に肉付けする機能です。ここでは半径を指定します。まだこの時点では円柱を張り巡らした状態なので角ばっています。

・三番目はSmooth Volumeで、滑らかに変形させる機能です。一般的にはスムージングと呼ばれる機能です。スムージングの手法と計算回数を指定します。計算回数が多いほどグニャグニャ感が増しますが、そのぶん、計算に時間がかかりますので、ここでは2を設定しています。

・最後はVolume to Meshです。Dendroの途中のデータはDendro専用のデータ形式となっているため、このコンポーネントを通して実際のポリゴンメッシュに変換します。

ひとまずここで完成です。

これ以降の手順は、お好みでやってみるといいかなという内容です。

Dendroのポリゴンは三角形と四角形が混じった状態なので、WeaverbirdプラグインのLoop Subdivisionを使うと三角形ポリゴンにまとめ、よりすっきりした形状になります。

完成したポリゴンの切断も簡単です。上の図のように、カットしたい部分を完全に覆うソリッド形状(白色のBox形状)を適当に用意します。

左から順に、1番目がCreate Settingsで、Dendroの設定コンポーネント。2番目がMesh to Volumeで、作成したソリッドデータをDendroのデータ形式に変換。三番目がVolume Differenceで、これがいわゆるブーリアン演算によるカット機能です。最後にVolume to Meshで実際のポリゴンメッシュに変換します。

上の図のように、ソリッド内側に含まれる部分がカットされます。

Voxellの作成は、Intralatticeプラグインでも可能です。上の図のように組むと同じことができます。

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