2023年7月1日土曜日

【Grasshopper_83】Grasshopperプラグイン「Squisher」を使った2D展開及び3D戻しによるパターン製作方法


今回のテーマは、Squisherプラグインを導入して、3Dサーフェスを平面上に展開し、その展開サーフェス上にパターンを作成してから3Dサーフェスに戻すという内容ですが、具体的には過去にブログ記事として取り上げた、以下の内容のアップデート版です。

上記ブログの中で、Squishコマンド及びSquishbackコマンドをRhinoceros上で実行する工程を挟んでおりますが、Grasshopperで作った形状のBake作業が面倒だったので、できればGrasshopperのみで完結できないかなと考えつつfood4rhino内で検索したところ、偶然発見したものです。

個人的にはかなりおすすめなプラグインです。使い方も簡単ですが、今回はトップ画像にあるような形状の作り方を紹介します。

Squisherプラグインのダウンロードは以下のリンクからどうぞ。

Step.1 データの準備

いつもと同様、適当なサーフェスを用意します。同時に、サーフェスの4辺(結合していない状態)と参考カーブの計5本を同時に作っておきます。参考カーブはパターンの開始位置を示す、あくまでも参考にするための曲線なので、これは別に無くても大丈夫です。

Step.2 展開作業

・作成した3Dサーフェスと5本の曲線をGrasshopperに取り込み、Squisherコンポーネントにつなげます。

・展開サーフェスおよび展開曲線はXY平面状に作成されるため、上の画像はTopビューの状態で、少し上に位置を移動させています。投影とは異なり、位置には依存しませんのでお好みの見やすい位置に移動&回転できます。

・展開されたサーフェスはトリムサーフェスとなっており、展開曲線は1次の直線の集合体、いわゆるポリラインとなっています。

・SquisherコンポーネントのP入力につなげるSquisher Parameterは、Squishコマンドを実行する際に指定する各種パラメーターです。もともとRhinocerosに実装されているSquishコマンドは、ペットボトルに貼ってあるステッカーを剥がすような単純な展開方法ではなく、例を挙げると自動車のシート表皮のように、圧縮したり伸ばしたりする必要がある部分の展開を考慮した機能です。よって、材質により異なる伸び縮みの係数を指定することにより、より正確に計算できるようになっているようです。今回は展開したサーフェス上にパターンを作ったら、また3Dに戻すためだけにこの機能を使いますのでひとまずデフォルトの状態で大丈夫です。逆に、展開図を作成するのが目的の場合は掘り下げて考えてみるといいかもしれません。

Step.3 展開サーフェスから新しくサーフェスを作り直す

・2D展開したサーフェス上にパターンを作っていきますが、展開サーフェスはトリムサーフェスとなっており、LunchBoxなどを使ってパターンを作る際にはアントリム状態にする必要があるため、Networf Surfaceコンポーネントに展開した曲線4本をそれぞれつないでサーフェスを新たに作ります。

・その際、展開カーブは1次の直線がつながった状態になっているため、必ずRebuild Curveコンポーネントにつないで3次曲線に変換してください。1次の直線でバキバキになっているのは、おそらくSquishコマンドを実行後、サーフェスをポリゴンメッシュに変換しているからかなと推測します。

Step.4 パターンを配置する範囲を決める

・パターンを作る範囲を展開サーフェスから若干量狭めます。展開した参考カーブも使って4辺の位置を決めたら、再びNetwork Srfコンポーネントにつないでサーフェスを作ります。
この辺りはお好みで。

Step.5 六角形を配置する

・LunchBoxプラグインの中にあるHexagon Cellsコンポーネントにつないで六角形を配置します。端の欠けた部分は除外するので、辺を分解してリスト内の数が6かどうかで判別してから六角形のみ取り出しています。

Step.6 六角形の大きさを変化させる

・六角形の大きさはNudiBranchプラグインに含まれているCurve Valueコンポーネントを使ってスケール値を計算してから、Scaleコンポーネントにつないで大きさを変化させます。

Step.7 六角形を3Dサーフェスに戻す

・Squisherコンポーネントの中のSquish Backコンポーネントに六角形をつなぐと、そのまま3Dサーフェスにマッピングされます。

・S入力につなぐサーフェスは、Step.2で展開したサーフェスそのものをつなぎます。Step.3で張りなおしたサーフェスではありませんので要注意です。

Step.8 3D加工

・あとはお好みで3Dサーフェス上で加工したら完成です。

・Grasshopperで作業がすべて完結するのでかなり利便性が良いと思います。唯一の難点としては、複数サーフェスを結合したポリサーフェスでは使用不可という点ですね。

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