今年もまたGWに突入しましたね。コロナ明けに円安、インバウンド特需のおかげで東京から郊外に出かけると例年以上に混雑に巻き込まれそうなので、昨年と同様、連休中は家に籠ってブログを更新します。今回のテーマは、Surface MorphingとSporphの違いについてまとめてみました。
車の造形面にパターンを配置する時、冒頭から3Dサーフェス上にパターンを作る方法だとサイズ変更がやりづらいケースが多いため、ひとまずXY平面上で大きさを調整するノードを組んでから3Dサーフェス上にモーフィングさせるやり方をとる場合が多々あります。
そのモーフィングさせる機能として、対象物が曲線であればMap To Surface、サーフェスやBrepであればSurface MorphingやSporphなどのコンポーネントがそれらの機能に該当します。
そこで今回のテーマは、似たような機能であるSurface MorphingとSporphについて、特徴や使い分けなどについて紹介したいと思います。どちらを使っても問題無いケースもあれば、どちらか片方じゃないとダメなケースもあり、使うシーンにもよりますのであくまでも参考事例として捉えて頂ければと思います。
1.Surface Morphingの特徴
一つ目のSurface Morphingですが、こちらのメリットは、モーフィング先の範囲をUV座標を使って細かく調整できることです。
作業の終盤に近づくと、設計条件への適合やデザイナーのこだわりなど様々な要求に対応するため、ミリ単位の微調整が必要になってきます。パターンの配置エリアを造形面の縁からあと1mm内側にしてほしいとか、そんな要求が来ても即座に変更が可能だったりするので、あらかじめ修正作業を見越してこちらのコンポーネントを使うケースがほとんどです。
Surface Morphing、Sporphのどちらでも作成が可能なケースが多いので、迷ったらこちらをひとまず使う感じです。
ただし、デメリットもありますので、それに該当するケースでは、次に紹介するSporphの使用をお勧めします。
2.Sporphの特徴
続いてSporphですが、こちらの機能は、とにかく平面上の3Dパターンをそっくりそのまま3Dサーフェス上に持っていきたい時に使います。大抵の場合はSurface Morphingでも代用は可能ですが、どうしてもSporphを使いたい場面を二つ紹介します。
一つ目は、入力サーフェスの表と裏にパターンが入り組んでいるケースです。トップ画像のようなレンズカット形状がその実例です。
XY平面上の入力サーフェスに対し、表方向と裏方向に凹凸になっているので、Sporphを使うとかなり楽にデータを作ることができます。
簡単な作り方を紹介します。
・Rhinoで適当な3Dサーフェスを作成後、Grasshopperに取り込み、Squisherコンポーネントにつないで平面展開し、Edge Surfaceコンポーネントにつないでアントリムサーフェスを1枚作成します。・SporphコンポーネントのS0とS1のReparametarizeをONにしています。これをセットするかどうかの基準がよくわかりませんが、Sporphがうまく動作するかどうかでONかOFFを選択します。
・後は適当に加工したら完成です。
・2D基準面に対し表と裏に凹凸しているパターン作成に使うとかなり便利な機能です。
二つ目は、トリムサーフェスにモーフィングするケースです。
冒頭のSurface Morphingコンポーネントにトリムサーフェスを接続すると自動的にトリミングが解除されてしまいますし、入力の3D形状はBounding Boxで大きさを判別するため、自動的にボックスごとのモーフィングになってしまいますが、以下のような事例の場合、Sporphコンポーネントの使用が有効です。
・台形の形をしたサーフェスをGrasshopperに取り込み、そこに六角形のパターンをモーフィングさせてみました。
・トリムサーフェス上にそのままの形でモーフィングさせたいときに便利な機能です。
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