2025年6月1日日曜日

【Grasshopper_111】タイヤのデータを作ってみました

今回はタイヤのデータを作ってみました。性能に直結するこの手の部品の外観はデザインの対象外ではありますが、CG用途としてデータが必要な場面があります。作る手段としてはほかにも多々ある中で、Grasshopperを使うとこんな方法もあるよという紹介です。

最初に、Rhino上で断面カーブを作り、Grasshopperで回転させてサーフェス化します。タイヤの表面形状になります。今回はX軸周りに回転させています。

後の工程でソリッド形状のブーリアンを使いますので、中空部分にも面を張ってClosed Brepの状態にしておきます。

トレッド部は平面上に作成したのちにSporphコンポーネントを使って3Dごと貼り付けるため、その範囲を決める必要があります。タイヤの表面サーフェスをUV座標を使って幅方向に縮小させたのち、断面曲線を3つに分割します。

トレッド部の断面カーブをスケールをかけてZ方向に若干縮小させた後、回転させてサーフェス化します。トレッドパターンの底面に相当します。同時にサイドウォール部も回転させてサーフェス化しておきます。ひとまずタイヤ3Dデータの準備は完了です。

続いてトレッドパターン作りの工程です。XY平面上に100x200の枠を用意します。サイズは適当で大丈夫です。

2Dパターンを作ります。左右対称になるので、中心線に対しどちらか左右に収まるように作ります。ノードが複雑なので説明は省略しますが、Grasshopperの作図機能はあまり使い勝手がよくないので別のアプリで作ってから取り込んだほうが効率が良いので面倒な場合はそちらをお勧めします。いずれにしても、作ったパターンが閉曲線になっていることは確認が必要です。

パターンを左右反転し、さらに必要に応じて追加しつつ、バランスを見ながら位置を調整したあとサーフェス化します。

2Dパターンに対し、カットする範囲を決めます。実際にタイヤ表面に張り付ける範囲になります。縦方向にリピート可能な状態にする必要があるので、Y方向の寸法に注意する必要があります。

カットする範囲をZ方向に10mm押し出して直方体にしてから、トレッド面を大きめに押し出しした後、Solid Differenceコンポーネントにつないで差分を求めます。上の図のようにくりぬいた状態になります。抜き勾配が必要であれば、この段階で角度をつけておきます。

タイヤトレッド面のサーフェスをiso trimコンポーネントにつないで分割数を調整できるようにしてから、Sporphコンポーネントにつないでトレッドデータを貼り付けます。SporphのS0とS1はreparametarizeをONにしておきます(これは場合によります)。

張り込んだトレッドパターンの余分な個所を切り落とすため、Solid Intersectionコンポーネントにつないでタイヤの表面データと相関する部分を取り出します。

最後に、必要なサーフェスだけかき集めたら完成です。






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